スギヒラタケ
Pleurocybella porrigens (Pers. ) Sing.
ハラタケ目_ホウライタケ科_スギヒラタケ属
× | 猛毒 2004年以降、スギヒラタケを食べたことにより、急性脳症が発生し17名が亡くなり、戦後最悪の食中毒事件となりました。 |

小型~中型菌。日本では一属一種の単型。「杉平茸」きのこ全体が白色で基部付近に白い短毛が有るのが特徴。
傘:直径2~7cm程の小型~中型で初め円形~扇形~へら形~半円形などで縁は内側に巻き、基部付近に白い短毛がある。表面は純白~成熟すると淡褐色を帯びる。
傘裏面:ヒダ状で白色、しばしば中ほどに枝分かれがあり、幅狭く薄い、並び方は極めて密で柄に垂生する。
柄:ほとんど無柄、または極端に短く、白色。
肉:白色で薄い。樹木臭に似た特有の爽やかな香りがある。
⁂2004年(H16年)秋、スギヒラタケが関係すると思われる急性脳症事例が発生し、患者は日本海側を中心とした9県で59人にのぼり、うち19人が死亡している。2009年に健常人が中毒を起こした事例が確認されている。
⁂静岡大学農学部 河岸 洋和特別栄誉教授は、この急性脳症の発症機構を化学的に明らかにするために、研究を続けてきた結果、タンパク質であるpleurocybelline(PC)とPleurocybella porrigens lectin(PPL)、低分子であるpleurocybellaziridine(PA)の3つの物質を発見し「3成分による急性脳症発症機構」を提唱しました。すなわち、PC とPPL が複合体を形成することによってタンパク質分解酵素活性を示し、血液-脳関門を破壊し、PA によって、このキノコによる特異な症状を惹起することを動物実験などで明らかにしたのです。3成分による急性脳症発症機構は研究の初期に思いつきました。しかし、動物実験での証明が非常に難しく長い年月がかかりました。しかし、私の教え子で博士論文の課題としてこのキノコの研究を開始した鈴木智大博士(宇都宮大学准教授)の努力によって、動物実験でこの説を証明されました。そして2022年末にその論文を発表しました。
この総説は私たちの18年間の研究をまとめたものです。
鈴木氏の献身に深謝いたします。との文をだしております。
傘裏面:ヒダ状で白色、しばしば中ほどに枝分かれがあり、幅狭く薄い、並び方は極めて密で柄に垂生する。
柄:ほとんど無柄、または極端に短く、白色。
肉:白色で薄い。樹木臭に似た特有の爽やかな香りがある。
⁂2004年(H16年)秋、スギヒラタケが関係すると思われる急性脳症事例が発生し、患者は日本海側を中心とした9県で59人にのぼり、うち19人が死亡している。2009年に健常人が中毒を起こした事例が確認されている。
⁂静岡大学農学部 河岸 洋和特別栄誉教授は、この急性脳症の発症機構を化学的に明らかにするために、研究を続けてきた結果、タンパク質であるpleurocybelline(PC)とPleurocybella porrigens lectin(PPL)、低分子であるpleurocybellaziridine(PA)の3つの物質を発見し「3成分による急性脳症発症機構」を提唱しました。すなわち、PC とPPL が複合体を形成することによってタンパク質分解酵素活性を示し、血液-脳関門を破壊し、PA によって、このキノコによる特異な症状を惹起することを動物実験などで明らかにしたのです。3成分による急性脳症発症機構は研究の初期に思いつきました。しかし、動物実験での証明が非常に難しく長い年月がかかりました。しかし、私の教え子で博士論文の課題としてこのキノコの研究を開始した鈴木智大博士(宇都宮大学准教授)の努力によって、動物実験でこの説を証明されました。そして2022年末にその論文を発表しました。
この総説は私たちの18年間の研究をまとめたものです。
鈴木氏の献身に深謝いたします。との文をだしております。

全体が白色~古くなると黄色を帯び、薄っぺらでスギの古い切り株などに重なりあって生えるのが特徴。

柄はほとんど無いが、しばしば極端に短い白色の柄があり、基部付近に白い短毛があるのが特徴。