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2025年4月27日(日)第22回フォーラムきのこ講演会実施報告
2025.05.10

第22回きのこ講演会は15時~16時迄実施。
講演者:八戸工業大学教授。本会の副理事長でもある星野保先生。
演題:「北海道にユキグニヤコウタケ(Mycena sp.)」はいるのか?
講師紹介の司会者:荻原裕。
演題:北海道にユキグニヤコウタケははいるのか❓

傘やひだが発光するヤコウタケはとても神秘的なキノコですが、ヤコウタケの分布は暖かい地域です。しかし、星野先生によれば鳥取や島根、北東北の積雪地においても採取されているとのこと。しかも、DNA解析の結果、別種と確認され、今後、ユキグニヤコウタケという名で新種記載されるとのお話がありました。
となると、北海道で発見される日も近いかも・・・と私などは思ってしまいます。青森の自生地から得た培養菌株を用いた星野先生の実験では、雪の下でも成長できることが確認されたとのことでした。植物でもユズリハなどの暖温帯性常緑広葉樹がエゾユズリハと名を変えて冷温帯の多雪地に分布していますが、植物と菌類は似ているところがあるなと感じました。
また、星野先生からはGBIFデータベースの中に北海道でヤコウタケの記録があるとのお話もありました。GBIFとは、地球規模の生物情報をインターネット上で閲覧できるシステム構築を目指す国際学術団体で、市民参加型調査のデータ登録も一部行っているようです。将来、当会の活動を通じて得られた菌類生息情報がこのデータベースに載る機会があるかもしれませんね。
質疑では、DNA解析の費用について質問がありました。それほど高額な費用はかからないとのことでしたので、当会でも種の同定などに使うこともできるかもしれません。星野先生、とても興味深いお話をありがとうございました。(荻原裕 記)
きのこ講演者の星野保先生(農学博士)

パーワーポイントを用いて詳しく説明して頂きました。

司会:理事・A班員の荻原裕氏


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