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10月3日(土)中学生の「キノコ野外観察調査」活動最終回に佐々木事務局員が指導協力
2009.10.03

札幌市博物館活動センター主催の「自然探求サポート事業」として本年3回行われた中学生の「キノコ野外観察調査」を支援してきましたが、10月3日(土)が最終でした。最初から指導に当たってきた佐々木強事務局員が、支援内容をまとめられましたのでお読み下さい。

中学生の「キノコ野外観察調査」活動について(佐々木強)

 札幌市博物館活動センター主催による「自然探求サポート事業」として中学生の「キノコ野外観察調査」を支援することになった。この「自然探求サポート事業」とは、博物館活動センターが「子供たちが身近な自然についての『疑問』や『調べてみたいこと』などを専門家のサポートを受けながら、自分の疑問を解決するプルセス(順序立てて理論的に考えていくこと)を学ぶことに主眼を置いた支援事業」で、2003年度から実施しているものである。
 「今年度のサポートテーマ」は、宮の森中学校1年生の男子生徒3名による『身近な地域で、キノコの植生や分布、生えやすい天候などについて調べたい』という希望で、「キノコに関する研究」がテーマとして取り上げられた。
 普段、学校ではじっくり取り組めないような子供の疑問を解決に導くために、活動期間は約半年間の長期にわたるものである。このうち野外での活動は2〜3回予定されており、その1回目が7月25日(土)、2回目は8月21日(金)、3回目は10月3日(土)にいずれも旭山記念公園で行われた。今年は異常気象のせいか、6〜7月とも雨や曇りの日が多く、低温多湿の日が続いた影響でキノコの発生には好条件だったようで、色々な種類のキノコが一斉に顔を出していた。ムクゲヒダハタケ、トガリベニヤマタケ、テングタケの幼菌から成菌までの段階も観察でき、子供たちも思わず大きな歓声をあげていた。森の家の近くではムジナタケ、モリノカレバタケ、キツネノカラカサ、ガンタケなどが観察された。都市環境林へ続く林道脇では色鮮やかな黄色のアキヤマタケやヤマドリタケモドキ、ツエタケなどが見られた。都市環境林ではチチタケ、ツルタケ、珍しいコガネテングタケ、キンチャヤマイグチ、ベニタケ科のキノコも多く見られた。この日の調査では、傘や柄のあるいわゆる典型的なキノコ形のキノコが多く見られたことである。どんなキノコがどんな環境に発生するのか、実体験として楽しく学んでくれたものと思う。
2回目の野外キノコ調査は、夏休み中の8月21日(金)に実施された。低温多湿の日が続いた後の前回の調査とは違って少し暑い日が続いたせいかキノコの発生も小休止といった状態で、発生キノコの種類も少なかった。前日の事前調査ではあまりキノコの姿が見られなかったので調査コースを変更し、都市環境林から山側に登り調査をすることにした。すると、前回とは全く形姿も違ったタイプのキノコを観察することができた。黄色くて細長いナギナタタケやキソウメンタケ、それにシロヒメホウキタケなどである。初めて見る変わったキノコに生徒たちも興奮気味で、さっそくデジカメで撮影したり名前を記録したりしていた。更に山道を進むと山道脇にシロソウメンタケやベニナギナタタケなど、普段あまり見かけない珍しいキノコがたくさん観察された。山道脇から開けた斜面にはヒメホウキタケ、アマタケ、ミヤマオチバタケやハリガネオチバタケなども観察された。
 今回の調査では、普段あまり見かけない変わったキノコに出会えたことにより、生徒たちの研究テーマである「キノコの植生や分布」の違いに気づき、キノコの不思議な生態への関心が一層深まることを願っている。
 3回目の野外キノコ調査は、10月3日(土)、旭山公園で実施された。発生キノコの種類は少なかったがキシメジなどが観察され、季節の移り変わりとともに発生キノコの種類も変わることを学んでくれたらいいなあ、と願って野外キノコ調査を終えた。

佐々木強さんお疲れ様でした。有難うございました。



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